看護師になるための学校(看護専門学校 看護大学 看護短期大学)
看護師になるためには、国家試験に受からなければならないらしい・・・ということは、きっと誰でも知っているはずです。
では、この看護師の国家試験はだれでも受けられるのでしょうか?
また、受験資格を得るためには、どんな勉強をすればよいのでしょうか? 独学で勉強しても大丈夫なのでしょうか?
いえ、看護師の国家試験を受けるには、指定された学校で勉強する必要があるのです。
看護師の受験資格が得られる学校は、大きく分けて3つあります。その3つとは、「看護専門学校」、「看護短期大学」、「看護大学」です。
それぞれの特徴を理解して、自分にあった、自分の目指すべき学校を選びましょう。
目次
(1)看護師の学校は主に3つで、最も多いのは専門学校
高校を卒業後、「看護師になりたい!」と思ったら、主に3つの方法(進路)があります。
看護専門学校に行くか、看護短期大学に行くか、看護大学に行くかという3つです。
それぞれが学費も、かかる年数も、カリキュラムの特徴も異なっています。
このうち、最も多くの人に選ばれているのが、看護専門学校に行くというコースです。
学校の数が最も多く、学校によってバラエティーも豊かで、学費も大学、短期大学に比べて安いということが選ばれる理由です。
また、これら3つ以外のコースとして、2年制の准看護師学校に行く、あるいは中学校を卒業後に、5年一貫教育校に行く、高等学校の衛生看護科に行って、准看護師の試験を受けるという方法もあります。
(2)看護専門学校(看護師を目指す人のメジャーコース)
看護専門学校の数は、全国で500を超えていて、1学年の定員も2万5千人程度と、看護大学の定員のおよそ2倍程度です。近年、大学に行く人も増えていますが、今も昔も変わらず、看護師の目指す人のうち、最も多くの人が選んでいるコースです。
看護専門学校の特徴はいろいろありますが、なんと言っても一番は、3年間でより高い実践力が身につくということです。現場ですぐに役立つよう、看護大学や短期大学に比べて、実習に多くの時間をあてているため、「早く一人前の看護師として働きたい!」という人に最も選ばれているようです。
また、看護専門学校の中には、民間病院の系列のもの、日本赤十字社や社会保険病院、国立病院機構の系列など、さまざまな種類があります。
いずれも、関連病院を中心に実習を行う場合が多く、また、卒業後も関連の施設で働く人が多いです。
そのため、学校選びは、「卒業後、どんなところで働きたいか?」についても、大切なポイントになります。
看護専門学校の入学試験について
学校によって、入試内容は異なりますが、一般入試では「学科試験+面接」が基本です。
学科は、英語と国語が必須で、理系科目を選択としている学校が多いです。面接のポイントは、「看護師になりたい」「この学校に行きたい」という自分の意思をいかに伝えるかで、学科よりも面接を重視している学校が多いようです。裏を返せば、学力以上に「熱意」が大事、といえるかも知れません。
看護専門学校の特徴
①実践力が身につく
看護専門学校の良い点としてまず挙げられるのが、病院などの臨床現場での体験学習です。いわゆる「実習」の時間が長いということです。卒業後、働き始めるにあたって、実習で学んだことは心強い味方になります。
②学費がお手ごろ
看護専門学校の初年度にかかる費用は、入学金も含めて30万円~90万円程度です。看護大学に比べて、相対的に安くなっています。
さらに、看護師のための奨学金を用意している学校も多く、卒業後、系列の病院で働ければ、返済が免除されるケースがほとんどです。
③一年早く働ける!
看護専門学校の基本は3年過程です。大学に比べて1年早く看護師として働き始めることが出来ます。「早く働きたい!」という人にとっては、1年の差は大きいのではないでしょうか。
④統合カリキュラム校も!
一般的な看護専門学校は、看護師の国家試験の受験資格しか得られませんが、保健師の受験資格も得られる「統合カリキュラム」を採用している学校も登場しています。
この統合カリキュラム校の場合、4年過程です。
(3)看護大学(じっくりと深く学びたい人向け)
看護大学に入学する人は、年々、少しずつ増えています。
看護専門学校、看護短期大学よりも1年間長いため、じっくりと看護について学びたい人にお勧めのコースです。
採決の仕方、ケアの仕方などの実践部分だけではなく、「なぜ、このような看護が必要なのか?」といった看護の理論や、心理、社会福祉といった周辺分野も含めて、トータルで学習できるようなカリキュラムになっています。
また、総合大学の看護学部の場合は、語学や情報リテラシー、他の学部と共通の一般教養なども学ぶことができるのも、魅力の一つです。
さらに、4年間の勉強を終えて卒業すると、看護師と保健師の国家試験の受験資格が得られます。なかには、助産師、養護教諭試験も受けられる大学もあります。
ただ、難点なのが、学費の高さと入学試験のハードルの高さです。私立の看護大学の場合、初年度にかかる費用は200万円前後です。
国立・自治体立の場合は、70~90万円程度と比較的安いものの、有名私立看護大学も含めて、偏差値が高く、十分な入試対策が必要です。
看護大学の入学試験について
「一次で学科試験、あるいはセンター試験、二次で面接」というパターンや「センター試験が一次で、二次が学科試験」など、大学によってさまざまです。
国立・自治体立の大学の場合、学科試験の教科が多い傾向にあります。
偏差値も大学によって、かなりの幅があり、有名な私立大学では、60を超えています。
看護大学の特徴
①看護の理論を深く学べる!
医療、看護は、年々進化するものです。そうした変化に備えるための応用力、考える力を養うのが看護大学です。
実践力と違って、現場に出てすぐに役立つというものではないかも知れませんが、看護師としての長いキャリアを考えたとき、大学で深く学んだ看護の理論がきっと役に立つはずです。
②幅広い教科を学べる
看護の専門知識だけではなく、周辺分野まで幅広く学べることも大きな特徴です。
さらに、総合大学の看護学部の場合は、語学や情報リテラシー、他の学部と共通の一般教養なども学ぶことができるのも、魅力の一つです。
③保健師、助産師の受験資格も得られる!
大学の場合、看護師だけではなく、保健師、助産師(助産師過程がある大学で、指定の科目を勉強した場合)の受験資格も得られます。
また、保健師資格を取得すれば、養護教諭2種免許状を取得することも可能です。
そのため、専門学校や看護短大卒業生に比べて、看護大学の卒業生のほうが、大学院への進学も含め、卒業後の進路はさまざまです。
④大卒の初任給をもらえる!
短大卒、専門学校卒に比べて、大学卒のほうが給与が高くなる傾向があるようです。
また、卒業と同時に得られる学士の学位は、看護の現場を離れても役に立つかも知れませんし、看護学校の教員を目指す場合にも、「大学卒以上」が条件になっている場合もあります。
(4)看護短期大学(看護専門学校と看護大学の中間?)
看護短期大学では、看護学校同様に3年制でありながらも、看護の専門科目のほか、他の学部と共通の教養科目も学べるなど、幅広く学べることが特徴です。
保健師、助産師の受験資格は得られませんが、養護教諭の受験資格を得られる学校もあります。
看護専門学校と看護大学の中間的な存在ですが、私立の学校の場合、初年度にかかる費用が130万円~160万円ほどと高く、一方で看護大学ほど深く看護学を学べるわけではないため、中途半端さを指摘されることもあり、短大から4年制の大学に変わるなど、数は減ってきています。
ただ、看護短大を卒業後、保健師や助産師の資格を取りたい、あるいは、もっと看護について勉強したいと思ったら、3年制として、4年制の看護大学に編入することも可能です。
看護短期大学の入学試験について
「学科試験+面接」、「学科試験+小論文+面接」、あるいは、「センター試験+面接」など、学校によってさまざまです。偏差値は50前後です。
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