【看護記録の書き方の基本 -2-】電子カルテの使い方 簡単な申し送りのこつ 方法 電子かるて

看護師や准看護師、看護助手のみなさまが日々の業務の中で記載する「看護記録」は、患者さんの観察や処置、ケアを実施した際に、タイムリーに記載することが望ましいのですが、通常、たくさんの業務をこなしている中では、なかなか看護記録を、作業後に即座にしっかり手書きで書くのは難しいのが現実ですよね。

そんな看護師を助けてくれるのが「電子カルテ」です。今の時代では、様々な医療機関において、看護記録はデジタル化され、電子カルテを利用して書くのがあたりまえになりつつあります。

この記事では、そんな忙しい看護師が、電子カルテ(電子かるて)を用いて様々な種類の看護記録を書く場合の、看護記録の書き方の基本やポイント、テクニック、こつ、簡単な申し送りの基本などを書いていきたいと思います。

本記事により、日々奮闘されている看護師の方々が、スムーズ・正確・効率的な看護記録を書く際に、少しでも参考になれば幸いです。




①看護記録は時間がかかりがち(看護記録の実情)

看護師の業務は、患者さんの日常生活の世話、検査のための送迎、点滴や内服薬の準備・確認・実施、医師からの指示受け・実施、ICやムンテラへの同席、患者さんやその家族への説明・指導など、とても幅広い業務があります。

そして、そのような業務をこなしつつ、ときに緊急入院患者の受け入れや、退院・転院の準備などにも臨機応変に対応することが必要になります。

複数の業務を一日でこなすためには、同時進行で作業をしたり(並行作業)、優先順位を付けて順番に仕事を進めたりする能力も要求されます。

時間に追われて、患者さんとじっくりと関わることができないという「もどかしさ」を感じることも多いのではないでしょうか(私も新人から3年目くらいまでは、忙し過ぎて、患者さんの話をゆっくり聞いてあげられないもどかしさでいっぱいでした)

特に看護師の業務の中でも最も時間が必要となる業務の一つに、「看護記録」が挙げられます。

本来であれば、看護記録は、患者さんの観察や処置やケアを実施した際に同時に記載することが望ましいのですが、通常、業務をこなす中では、なかなか難しいのが現実です。

そのような難しい状況では、結局のところ、看護記録は後回しになりがちです。

業務の終了間際の時間にやっと取り掛かることができ、残業になることもしばしばあります。私も看護記録のために、残業することも多いです。

そこで、次の章では、すきま時間(空き時間)を使って看護記録を書く方法、ポイントを説明します。

②すき間時間を使って看護記録を書こう!

看護記録を効率よく書くための書き方の基本・ポイントは、「いかに、隙間時間を使って記録を書くか」ということです。

業務をすべてこなしてから、まとめて記録を書こうとしても、患者さんの状態や言動、行った処置を思い出すのに時間がかかったり、何があったのか忘れてしまったりすることもあり、非効率です。

そのため、業務の合間にできた5分や10分程度のすき間時間を使って、少しずつこまめに記録を書いていくことで、効率よく中身のある記録を書くことができます。

私は忘れないように、自分の手や腕にボールペンで記録をしていたことがありますが、それをまた資料に書いたり、データ入力しないといけないので、非効率です。

やはり、紙などの媒体よりも、電子カルテを利用した方がスマートですよね。(もちろん、隙間時間に、体と心を休めることも重要ですよ!)

③バイタルサインは測定と同時に入力しよう!

看護業務の中で、必ず行うものの一つに「バイタルサインの測定」があります。

バイタルサインは、測定したあとに紙にメモをして、あとからカルテに入力するという看護師の方も多いと思います。

(私は新人の時には、紙は持ち運びにくいので、よく自分の手にメモしていました(笑))

しかし、いったん紙に残してからカルテに入力するという方法は非常に効率が悪く、またタイムリーに患者さんの状態がカルテに反映されないうえ、前日との比較も難しくなり、おすすめできません。

そこで、可能であれば、バイタルサインの測定の際は、電子カルテを一緒に持っていくことをおすすめします。

難しいと感じるかも知れませんが、慣れると、その方が効率的で時間がかからないので、やりやすくなるでしょう。

(電子カルテとは、これまで医者や看護師が診療・診察の経過を書いていた、紙のカルテを電子的なシステムに置き換えて、パソコンや端末から入力した情報をデータベースに格納・記録するものです)

測定した、その場で入力をすることで、あとから入力する手間も省けますし、直近のバイタルの比較もできます。

慣れるまで大変だと思いますが、バイタルサインは測定と同時にその場で電子カルテに入力することを意識しましょう。

④単語登録を活用しよう!

看護記録を毎日書いていると、同じような表現や文章、文言を使うことがあると思います。

その際、毎回同じような文章を入力し、カルテに記載しているのは非常に効率が悪いです。

電子カルテには、「利用者単語登録」というような、ある「読み」を変換すると、その読みに応じて登録した単語が変換されるという機能が備わっています。

例えば「じょくそう」を変換すると、「褥瘡」となるように変換できるよう設定ができます。

この機能を使って、「単語だけではなく、定型文を登録する」と記録時間の短縮ができます。

例えば、「ろうか」を変換すると、「廊下を杖を使って歩行されている。前傾姿勢であるが、ふらつきはない。」というように長い文章を登録することもできるため、大幅に記録時間の短縮が図れます。

単語登録に定型文を登録して活用してみましょう。

⑤観察項目と記録内容をあらかじめ決めておこう!

患者さんの情報を収集する際に、現在の問題点はどんなところで、どこを観察すればよいかということをメモしながら情報収集を行うと、記録に何を書けばよいのかわかります。

特に、これは前述のすき間時間に大いに活用ができます。わずかな時間で必要な事柄のみをパパっと記入することができれば、効率良く作業を進められますね。

⑥電子カルテを使いやすいようにカスタマイズしよう!

電子カルテでは、自分が使いやすいように表示項目をカスタマイズできることがあります。

よく使う項目をブックマークしておいたり、バイタルサインと検査データを一覧できるような設定にしたりするなど、電子カルテの種類によってできることは異なりますが、自己で使いやすいようにカスタマイズすることが看護記録にかかる時間の短縮につながるでしょう。

⑦効率よく、わかりやすい申し送りをするコツ

リーダーや次の勤務者に「申し送り」をするために、情報を整理して要点をまとめておく必要があります。

しかし、申し送りは、わかっていてもなかなかうまくできないのが現実です。

そこで、情報を整理するための方法の一つなのですが、それは、「頭から足先へ向かって順番に申し送る」ということです。

つまり、「睫毛反射 ⇒ 呼吸音 ⇒ 腸蠕動運動の有無 ⇒ 尿の状態」というように、上から下へ順番に伝えることで相手もわかりやすくイメージができます。参考にしてみてください。

⑧まとめ(看護記録の時短テクニック)

看護記録の時短テクニック(すばやく書くためのコツ)は以下です。

隙間時間(すき間時間)でこまめに記録を書く

電子カルテを持ってバイタルサイン測定に行く

定型文を電子カルテに登録しておく

電子カルテのカスタマイズをする

上記の時短テクニックを使い、効率よく看護記録をして、効率的な看護を目指していきましょう!

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[看護記録の書き方の基本シリーズ:これであたなも看護記録がすばやく簡単に書ける!]

【1】看護記録とは・電子カルテとは? IC記録と情報開示 概要、基本的な書き方、使い方を学ぼう
【2】電子カルテの使い方 簡単な申し送りのコツ
【3】基礎情報・看護問題リスト・看護問題(看護診断)
【4】看護計画の基本的な書き方 目標の立て方 作成方法 クリニカルパスとは 看護問題 患者目標 観察計画
【5】経過記録の書き方 看護師が経過記録を書く方法 こつ テクニック 記載例
【5.1】SOAP(ソープ)の書き方の基本 POS 主観的データ 客観的データ アセスメント
【5.2】フォーカスチャーティングの書き方の基本 POS FDAR データ フォーカス アクション 反応
【5.3】経時記録の書き方の基本 方法 こつ テクニック
【6】看護サマリーの書き方 看護師が看護サマリーを書く方法 こつ 記載例 項目
【7】看護記録の書き方のルール 簡単に書く方法 ルール こつ 記載例 項目 サインの方法 署名方法
【8】IC記録 カンファレンス ムンテラ 口頭指示 ヒヤリハット(インシデント) 事例

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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