【看護記録の書き方の基本 -8-】IC記録 カンファレンス記録 ムンテラ 口頭指示 ヒヤリハット(インシデント) 事例

看護師や准看護師、看護助手のみなさまが日々の看護業務において記録している看護記録では、医療のシチュエーションごとに何を書けばいいのかは、おおよそ決まっています。

本記事では、IC記録(インフォームドコンセント)、カンファレンス記録、ムンテラ、口頭指示、ヒヤリハット(インシデント)等、看護記録の書き方について、どんなタイトルにすればよいのか、どんな項目を書けばよいのか等、看護記録の書き方の基本や記載例、事例を中心に説明していきます。

看護記録に日々奮闘されている新人看護師の方や看護学生の方に、少しでも業務をスムーズかつ正確にこなす参考になれば幸いです。




①IC記録 (Informed Consent)、ムンテラ

医療用語の中でもよく使われるものに、IC記録 (Informed Consent :インフォームドコンセント)やムンテラ(mundtherapie)があります。

どちらも「患者・家族等への病状や検査の説明」という意味合いです。

特に何らかの治療などをする際には、「説明すること(inform)」だけではなく、患者やその家族と「同意すること(consent)」も必要となるため、そのような場合はIC記録を用いて看護記録を行います。

IC記録やムンテラは、主に医師が患者・家族に対して行います。

その際に、看護師もその説明時に同席して、内容と患者・家族などの反応を記録する必要があります。

あとあと患者や家族から追加で説明を求められることや、確実に伝えたかどうか確認が必要になることもあるので、話し合いの内容を確実に記録することがとても重要になります。

例として、以下にIC記録(ムンテラ記録)の書き方の基本的な項目例を示します。

経時記録形式で、医師の説明と患者の反応を時間軸に沿って順に書くとよいでしょう。

(IC記録もしくはムンテラの報告例)
日時:〇月〇日 10:00
看護記録の種類:IC (もしくはムンテラ)
記事:
参加者:
場所:
内容:医師の説明、使用した物、検査データ、治療内容、患者・家族等の質問、反応、医師の回答、今後の方針、方向性など。

※病棟、施設によって書き方は様々です。形式にとらわれずに、それぞれの職場に合わせた記録方法で記載していくことが大事です。

②カンファレンス (conference)

看護師の仕事内容を改善して、業務環境をよくしていこうということがカンファレンスの基本的な目的となります。

カンファレンスとは、直訳すると、会議、研究会、協議会、検討会などという意味です。

しかしながら、看護においては、ざっくり言うと、話し合いのことをカンファレンス(または略してカンファといいます)と呼んでいます。

看護師として働く中で、その医療施設での看護師の仕事内容に問題点があるかもしれません。

また、一方で、入院患者の中に、問題となっている患者がいる可能性もあります。

加えて、入院時に立案した看護計画が適切かどうか、退院時の看護計画に対する評価などもカンファレンスで話し合います。

カンファレンスというのは、業務上で起こっている問題点を取り上げて、どう改善し、対策をしていくか、さらにどう評価していくかということを看護師同士で話し合う場のことをいいます。

しかしながら、ただ形だけのカンファレンスや、個人攻撃をするだけのカンファレンスでは、何の意味もありません。

カンファレンスを行うことで、看護師同士が問題点や改善すべき点についての情報を共有できないと意味がありません。

そこで、看護記録に残すことが大切になってきます。

カンファレンス記事の一例として、以下に書き方の例を示します。

経時記録形式で必要事項を簡潔に書くとよいでしょう。

(カンファレンスの記載例)
日時:〇月〇日 10:00
看護記録の種類:カンファレンス
記事:
参加者:
場所:
内容:テーマ、現在の状況、問題点、話し合いで出た意見、今後の方針、方向性など

③医師からの口頭指示

医療現場では、基本的に看護師は医師の指示のもと、薬剤の投与や創傷処置、医療機器の管理など診療の補助を行います。

それらの内容は、カルテや指示簿、処方箋など、文書に記載されています。

しかしながら、ときに緊急の場合や、何らかの事情で文書に記載されていない場合もあります。

その際は、直接、医師に確認し、口頭で指示をもらうこともあります。

口頭で指示をもらう場合、どの医師から、何を、どのくらい、どうするのかといった詳細まで確認し、復唱して確認することが大切になってきます。

文書と違い、特に薬剤では、名前や量、単位、投与方法など細かいところまで確認することが事故を防ぐことにつながります。

また、口頭で指示を受けた場合、必ず記録に残すようにしましょう。

そして、あとから医師にも指示内容をカルテに記載してもらうように依頼することが大事です。

口頭で確認する場合には、十分に注意しましょう。

一例として、以下に口頭指示の看護記録の書き方を示します。

経時記録形式で、日時と、誰が、何を、どれくらい、どのように、どうするのかといった具合に、詳細まで書くとよいでしょう。

(口頭指示の報告例)
日時:〇月〇日 10:00
看護記録の種類:口頭指示
記事:〇〇医師より、「何を、どれくらい、どのように、どうする」と口頭で指示を受ける。

④ヒヤリハット(インシデント)

ヒヤリハット(インシデント)とは、事故になってもおかしくなかった状況を「冷や汗をかく=ヒヤリ」と「声も出ずハッと息をのむ=ハット」で表した造語です。

間違った医療行為が行われそうになったが、未然に気付いて防ぐことができたケースや、行った医療行為に間違いがあったものの患者に実害は無かったケースなどが含まれます。

一つの事故に至る事例の背後には、それよりはるかに多数のヒヤリハットの事例が潜んでいる(ハインリッヒの法則)と言われています。

そこで、ヒヤリハットの事例を収集し、分析して、再発を防ぐ手立てを考え、その情報を共有することが重大事故の防止につながるとされています。

もとは、労働安全の分野で生まれた概念で、事故=アクシデントに対して、インシデントということもあります。

大きな失敗、重大な事故は、まさに「氷山の一角」です。その下には、多くのヒヤリハットが潜んでいるのです!

私も、これまでの5年間の看護師業務の中で、多くのヒヤリハットを見てきましたし、自分でも体験しています。

ヒヤリハットは、自分だけに留めずに、皆で共有し、チーム全体の事故を減らしていくことが重要です。

ですので、インシデントを起こした本人を責めることは本来の目的に反しますので、やめましょう。

(ヒヤリハット報告書=インシデント報告書の項目例)
報告部署:
発見年月日:
発生年月日の特定:
発生年月日:
発生場所:
発生場面:
ヒヤリハット(インシデント)記載者:
当事者職種:
経験年月:
背景要因:
患者の性別:
患者の年齢:
診療科:
レベル:
具体的内容:
教訓・対策:

⑤インシデントレポート、アクシデントレポート、ヒヤリ・ハット報告書の違いは?

病院では、医療事故防止のために、事故報告書を記入し、事故と対策の情報を共有しています。

自己報告書には以下の3種類があり、状況に応じて使い分けしています。

・インシデントレポート
業務上の何らかのミスが起きたが、患者に傷害を及ぼすことはなかった事象。

・アクシデントレポート
業務上の何らかのミスによって、患者に傷害が生じ、検査や処置が必要となった事象。

・ヒヤリ・ハット報告書
業務の中で何らかのミスを犯しかけ「ヒヤリ」「ハッと」した事象。

★ベテランナースからのアドバイス
患者も希望すればカルテを閲覧できます。

患者が希望した場合に焦ったり、慌てたりしなくてもよいような記録の仕方を考えていきましょう。

⑥まとめ(看護記録では、5W1Hを常に意識することが大事)

看護記録を書く際には

当事者しかわからないような記録にならないように注意する

「いつ、どこで、誰が、何のために、何をして、どうなった」を取り入れる

情報が共有されるという認識を持つ

ということに注意しましょう。これは看護記録の書き方の基本です。

第三者が読んでもわかる看護記録を書くように心がけましょう!(自分だけが分かるものでは価値が下がりますので)

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[看護記録の書き方の基本シリーズ:これであたなも看護記録がすばやく簡単に書ける!]

【1】看護記録とは・電子カルテとは? IC記録と情報開示 概要、基本的な書き方、使い方を学ぼう
【2】電子カルテの使い方 簡単な申し送りのコツ
【3】基礎情報・看護問題リスト・看護問題(看護診断)
【4】看護計画の基本的な書き方 目標の立て方 作成方法 クリニカルパスとは 看護問題 患者目標 観察計画
【5】経過記録の書き方 看護師が経過記録を書く方法 こつ テクニック 記載例
【5.1】SOAP(ソープ)の書き方の基本 POS 主観的データ 客観的データ アセスメント
【5.2】フォーカスチャーティングの書き方の基本 POS FDAR データ フォーカス アクション 反応
【5.3】経時記録の書き方の基本 方法 こつ テクニック
【6】看護サマリーの書き方 看護師が看護サマリーを書く方法 こつ 記載例 項目
【7】看護記録の書き方のルール 簡単に書く方法 ルール こつ 記載例 項目 サインの方法 署名方法
【8】IC記録 カンファレンス ムンテラ 口頭指示 ヒヤリハット(インシデント) 事例

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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