看護師長と看護部長の仕事とは? 給料、年収は? キャリアアップを考えている看護師へ

普段、実務作業には入りませんが、主にマネジメントをされている看護師長さんと看護部長さんの仕事内容、役割、給料(年収)についてまとめました。
キャリアを考えている、いないに関わらず、看護師として、看護師長さんや看護部長さんが普段、どのような事をされているのかを理解しておくことは大切です。(看護師長も看護部長も、現場のこと何もやってくれないなーと思っている看護師の方もいらっしゃると思いますが、看護師長も看護部長も、それぞれ重要な役割があるのです)

看護師長の仕事

(1)看護師長の役割
看護師長は看護部門の管理者として、一つの部門の業務やスタッフを管理し、その部署の看護サービスに対して責任と権限をもつ役職です。
看護師長には、日々接する患者や家族へのケアの知識や技術を磨くだけではなく、統括する部署の業務が安全に行われ、スタッフが円滑に仕事を行う体制づくりを整えるための役割を担う管理能力が必要になります。




看護師長になるには、看護資格を得て就職したあと、臨床現場のなかである程度の経験を積み、看護の実践力を高めると同時に、業務をマネジメントする力を身につけることが必要です。医療機関によっては、看護管理に必要な知識などを学ぶ「看護管理者コース」の勉強会を設けています。また、ほかにも、病院の組織管理や教育を行う者が、部署の師長や副師長を担う看護師に、日本看護協会が実施する「認定看護管理者ファーストレベル」「認定看護管理者セカンドレベル」という講習会の受講を推奨しているところもあります。

(2)安全で質の高い看護サービスのための部門管理
看護師長は、病院全体の看護師長が参加する会議や委員会に出席し、各部門や病院で取り組む看護ケアを検討したり、院内の医療体制について医師部門や検査部門など、ほかの職種の部門管理者と意見交換やディスカッションを行います。

また、スタッフの勤務表を作成し、勤務体制を管理し、医療物品や施設状況の点検などの管理を行い、安全でかつ質の高い看護サービスのための部門管理をしています。

看護師長は、スタッフの部署での役割分担や、個々のスタッフの看護の専門職としてのキャリア育成のために、定期的に面談を行います。そのスタッフの課題や今後の目標をともに考え、明確にしていくことをとおして、スタッフの仕事に対するモチベーションや、専門職としてのステップアップにつなげていきます。これらをふまえて、看護師長はその部門の目標をかかげ、業務の見直しや整理、スタッフの役割分担や育成計画を考えながら、管理業務を行っているのです。

[認定看護管理者カリキュラム(日本看護協会)] 1.ファーストレベル教育目的
看護専門職として必要な管理に関する基本的知識・技術・態度を習得する。
看護を提供するために組織化ならびにその運営の責任の一端を担うために必要な知識・技術・態度を習得する。
組織的看護サービス提供上の諸問題を客観的に分析する能力を高める。

(3)看護師長の給料(年収)
看護師長の収入は、病院によって差はありますが、一例で言えば、基本給30万円~40万円、管理当直8千円~1万円(2回/月)、管理職手当4万円~5万円、賞与100万円~130万円、各種手当を含めた場合の看護師長の年収(最高平均)は約600万円~700万円。一般的な平均年収は500万円~600万円ほどになります。

2.セカンドレベル教育目的
第一線監督者、または中間管理者に求められる基本的責務を遂行するために必要な知識・技術・態度を習得する。
施設の理念ならびに看護部門の理念との整合性を図りながら担当部門の看護目標を設定し、その達成を目指して看護管理過程が展開できる能力を高める。

看護部長の仕事

(1)看護部長の役割
看護部長は、看護部が進むべき方向を示し、目標を達成するための組織づくりをするというトップマネージメントの役割を担っています。簡単に言ってしまうと、看護職員、看護師長のまとめ役で、看護部門のトップです。つまり、看護部長は、看護部門にいる人や設備などの全体の管理や、看護部門と関係する他の部門との連携をとり、看護部門と医療成績の向上を図ります。

具体的な仕事は、「看護部の理念や目標を周知すること」「看護部の事業計画や予算に関すること」「看護部の人事や労務に関すること」「看護ケアの質の向上をめざした業務改善に関すること」などです。看護部門の全体に目を配り管理する役割を担っています。看護部長は、多くの仕事を担っているため、何を自分が行い、何を人に委ねるのかをよく考え、業務を進めていきます。看護部長に欠かせないものは、看護師長と看護職員に看護部が目指す方向づけをして、その組織をつくっていくというマネージメント能力です。

(2)病院全体の運営・管理を担うこともある
看護部長は、看護師長や看護職員という看護部内だけではなく、病院長や看護部門以外との連携もとても大切です。相手の立場を理解しようとする心構えをもって、よい関係を築くことや、交渉能力も必要です。毎日起こるさまざまな問題を、ほかの人が理解できるように論理的に説明し、問題解決をする能力も必要です。また、病院によっては、看護部長が、病院の副院長を兼ねている所もあり、その場合、看護部門のマネージメントとともに、病院全体の運営・管理を担うことになります。

[看護部長の仕事] ・看護部の理念や目標を周知すること
・看護部の事業計画、予算に関すること
・看護部の人事管理、労務に関すること
・ケアの質の向上を目指した業務改善に関すること
・療養環境の整備に関すること
・看護部の医療安全に関すること
・看護部の情報管理に関すること
・看護部の教育に関すること
・他部門などとの連携、協働に関すること

(3)看護部長の給料(年収)
看護部長の収入は、基本給40万円~50万円、管理職手当8千円~1万円、賞与100万円~130万円、各種手当を含めた場合の看護部長の年収(最高平均)は約700万円~800万円。一般的な平均年収は600~700万円ほどになります。

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