外来看護師の仕事とは/外来看護師(がいらいかんごし)の仕事内容 給料 年収 収入 年齢 ★就職 転職 異動を考えている方へ

みなさんのなかには、患者として病院やクリニックを受診した際に、「外来(がいらい)」で働いている「外来看護師(がいらいかんごし)」さんを見かけたことがある(あるいは、お世話になったことがある)方も多いかと思います。

病院の外来には、老若男女、子供から大人まで、さまざまな年齢や職業、疾患(病気)の方やその家族、親戚、友人、知人などが通院しています。

以前に比べ、医療技術が進歩し、疾患のある患者の入院期間が短くなったことで、入院をしなくても、あるいは、退院した後に、外来で、内視鏡検査や日帰り手術、がん化学療法など、患者の心身への影響が大きい治療が行われるようになっています。

また、病院のベッド数が不足している現状では、入院患者は重傷者を優先にするという方針をとる病院が増えていることも、外来患者が増えている要因です。

また、近年の超高齢化社会を迎え、糖尿病や高血圧などの慢性疾患が増えた現在では、病気を持ちながら地域で生活をしている人が増えています。

このため、病院の外来の場は、患者やその家族などで、大変混雑した診療・治療の場となっていますが、やはり、安全かつ安心できる医療を提供することが求められているのです。

看護師としての働き方には、夜勤や残業がない昼間勤務や、夜勤専従、夜勤を含めた勤務、アルバイト・副業(ダブルワーク)などなど、いろいろなやり方がありますが、その時の看護師の家庭環境や、健康状態、心の状態、キャリアの考え方などにより、勤務形態を変えていくことも必要なのではと考えています。

本記事が、外来看護師への就職や転職、病棟看護師からの異動などを考えている方へ少しでも参考になれば幸いです。



(1)外来看護師の役割について

日本看護協会では、外来看護を「疾病を持ちながら地域で療養・社会生活を営む患者やその家族に対し、安全で・安心・信頼される診療が行われるように、また生活が円滑に送れるように調整を図りながら看護職が診療の補助や療養上の世話を提供すること」と定義しています。

つまり、外来看護師には、個々の患者の状況を的確に判断したうえで、診療の補助、患者・家族へのケアを「タイムリー」に「的確に」行う能力が求められるのです。

外来に通院する患者の6割は、療養上の困難(健康だと感じる生活を送る事が困難)があると答えており、外来の場での医療体制・設備等の充実は必要だと考えられます。

一方で、外来看護師の仕事は、診察の介助に加え、混雑する外来の受診受付や電話対応などの事務的な仕事が多く、療養相談・指導に十分な時間を確保できないということも現実的な課題として存在します。

受診をする患者・家族にとって、外来の場は、医者や看護師など、医療者に自分の身体のことを伝え、会話をする貴重なタイミングです。

さまざまな医療を受けている患者が、病院の外来を受信しています。

外来で働く外来看護師は、特別な資格は必要ではありませんが、幅広い知識と専門的な看護技術を備えることと、受診する人の話に耳を傾け(傾聴)、その人の病気を管理する力や、症状に対処できる力を最大限に引き出すことを心掛けることが大切です。

外来看護師に向いている方は、一般的に以下のような方と考えられる

事務仕事を面倒と思わず、素早くこなせる人

患者さんのクレームにも、割り切って対応できる人

ワークライフバランスを考慮して、介護や育児などと仕事を両立させたい人

(2)外来にはさまざまな診療科がある

病院の外来には、様々な病気・疾患を患った多くの患者さんやその家族、親戚、友人、知人が訪れます。

外来の診療科は、単一のところもありますが、規模の大きい総合病院などは、外科、内科、眼科、皮膚科、検査科、婦人科、小児科、外来治療部など、身体の部位や疾患、治療内容により、細かい診療科に分かれます。

外来で勤務する外来看護師の役割は、各診療科によって異なりますが、どの科においても「個々の患者の状況を的確に判断したうえで、診療の補助、患者・家族へのケアをタイムリーに正確に行うこと」が、共通して言えることです。

(3)外来看護師の1日の仕事の流れ

外来看護師の勤務は、外来診療の開始前よりスタートします。

外来の診療がはじまる前に、その日の外来の予約状況や診療体制を確認し、1日の外来業務の準備をします。

準備の際は、予約の入っている患者のカルテや検査記録を用意し、予定されている検査・治療に使用する医療器具の準備を万全に行い、外来診療が円滑に進むように備えます。

外来が開始し、受診する患者が来た際は、外来看護師は、患者の体調や自宅での様子を患者やその家族へヒアリングします。

必要に応じて、医師へあらかじめ報告し、必要な検査や治療内容の確認を診察の前にすることで、患者の状況に合わせ、効率よく診療を行うように努めます。

診察の結果、検査や手術、入院が必要になる人もいます。

患者や家族へ、治療や入院について説明を行い、内容について質問や疑問がないか話を聞き、その人が安心して治療や入院に臨めるように支援します。

外来を受信した当日に緊急入院になる人もいます。

その際は、病棟や病床を管理する事務部門へ連絡して入院の手続きを進めながら、主治医が行う応急処置の介助をします。

同時に、入院が決まった患者の疾患の経過などについての情報をまとめ、その内容を入院する病棟の看護師へ申し送りを行い、外来から入院への治療やケアの継続を図るのです。

ある外来看護師の1日の仕事の流れ(参考事例)

[1] 1日の準備
・外来予約の確認
・診察室の準備、点滴やケガの処置を行う処置室の準備

[2] 外来の準備
・8:00~、 9:00~など、外来の開始準備(病院やクリニックにより、診療の開始時間は異なります)

[3] 日勤業務
・初診患者の問診
・医師の診察の介助、処置の実施
・外来検査(針生検や内視鏡検査など)の介助
・生活の仕方など、患者に対するアドバイスや指導、相談
・患者が緊急入院になった場合、入院手続きを案内

[4] お昼の休憩
・勤務しているスタッフが交代で休憩をとる場合や、クリニックなどでは診療の合間にスタッフ全員が休憩をとります。

[5] 業務終了
・17:00~、19:00~など病院やクリニックにより、外来業務が終了する時間は異なります。
・診療時間が長時間の場合は、朝から勤務するスタッフ、午後の外来時間から勤務するスタッフが交代をして勤務します。その場合は、スタッフの勤務により、終業時間は異なります。

[6] 休日、夜勤当番業務
・外来診療が土日・休日や、夜間に行われる病院やクリニックのスタッフが、交代で勤務を行います。

(4)【まとめ】外来看護師への就職・転職・異動を考えている方へ

外来看護師の収入(給料)は、病院によって差異はありますが、一般的な年収で言うと、400万円前後(非常勤では時給2,000円程度)だと言われています。(月給は30万円程度)

看護師全体の給料の平均年収が、450万円程度なので、それと比較すると、少し低い水準ではあります。これは、外来看護師には夜勤や残業がないことなどが影響しているのだと思います。

収入(給与)が少ないことに加え、外来看護師は、受付での患者さんや患者さんの家族・親族などからのクレーム対応がストレスになりがちであったり、対応範囲が限られているため、看護師としてのスキルを向上させるのが難しかったりとデメリットもあります。

しかしながら、外来看護師は、病棟看護師のような肉体労働が少なく、休みが取りやすい、残業が比較的少ないなど、働き方という面でメリットがありますので、外来看護師への就職や転職、異動を考える際には、自分のやりたいこと、求めていること、メリットとデメリットをトータルで考えて、判断することが大切でしょう。

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ここまで読んで頂きありがとうございました。

他にも、看護師の就職や転職の経験、給料(収入)、看護師に必要な資格など、いろいろな記事を書いていますので、是非見て頂けると嬉しいです!

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