助産師とは? 助産師はどんな仕事をするの? 助産師になるには?

「助産師」とは、何をする人なのか、どのような仕事なのか知っていますか? 20年くらい前までは、「助産婦」と呼ばれ、戦前は「産婆さん」と呼ばれていました。




助産師の最も大切な仕事は、産まれた赤ちゃんをとりあげることです。実は、助産師は、「赤ちゃんをとりあげる」わけではありません。赤ちゃんは、お母さんと力を合わせて、自分で出てくるのです。ですから、正確には、助産師は赤ちゃんが上手に出てくるのを助ける、お母さんが赤ちゃんを産むために自分のもっている力を出すのを助ける仕事と言うことができます。

お母さんが自分の力を出し切り、そして赤ちゃんが上手に出てくるためには、妊婦の健康のチェックやおなかの中の赤ちゃんの成長を確認しなくてはいけません。そして、妊婦が出産まで万全の体調を維持するためにどうしたらよいかを一緒に考えます。

たとえば、妊娠中は鉄分が不足し、貧血になりやすいので、それを改善するためにはどのような食事をしたらよいか、妊婦が出産に向けて体力をつけるために、どのような運動が適しているかなどです。何よりも精神的な安定が大切なので、妊婦の話をよく聴きます。

出産後は、お母さん、そして家族が、うまく赤ちゃんを育てていけるようにサポートします。新米のお母さんは、赤ちゃんのオムツを替えたり、母乳をあげたりすることも上手には出来ません。助産師は、お母さんと赤ちゃんに寄り添い、そのやり方を丁寧に話していきます。赤ちゃんがちゃんと成長しているか、外の世界に適応しているかを観察するのも助産師の大切な仕事です。

助産師の多くは、病院・診療所で働いている

助産師は、全国に約3万7千人います(厚生労働省「平成 30 年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」より)。その多くが病院(助産師の約63%)と診療所(助産師の約22%)、あとは、助産所(助産師の約6%)や看護師等学校養成所又は研究機関(助産師の約4%)、市区町村(助産師の約3%)などで働いています。助産師は、開業権をもっていますので、地域で助産所を開業している助産師もいます。また、主に母乳相談や新生児訪問を行っている助産師もいます。さまざまなところで、助産師は母子とその家族を支えているのです。

助産師の教育課程

助産師になるには、さまざまな道があります。

大学院、大学専攻科・別科、専門学校の特徴

助産師になるためには、まず「看護師免許」を取得する必要があります。そのうえで、1年以上、必要な科目を修めなければならないと定められています。助産師になるための教育課程には、2年間で学ぶ「大学院」、1年間で学ぶ「大学や短大の専攻科・別科」、「専門学校」などがあります。また、看護大学の4年間のなかで、「助産コース」を選択して、助産師の資格を取得することもできます。

それぞれの教育課程には、特徴があります。大学院の2年間では、助産師の国家試験受験資格に加え、理論や研究方法を学び、修士の学位を取ることが出来ます。大学や短大の専攻科・別科、専門学校は、助産師になるための学習を集中的にするので、1年間で修了できます。大学や短大の専攻科・別科、専門学校は、同じ1年の教育課程であっても、各学校独自のカリキュラムがありますので、科目や実習期間などが異なっている場合もあります。

以下は、私が看護師免許を取得した際の経験などを書いた参考記事です。
私が看護師国家試験に合格した勉強方法
看護師になるための学校(看護専門学校 看護大学 看護短期大学)
遠回り看護師の私が苦労した看護専門学校の受験と就職活動

基本的な知識を身につけたら実習へ

まず女性の健康と支援方法、そして妊婦、出産に関わる女性の身体の構造や機能、新生児の特徴などについて学びます。これらの知識が身に着いたら、病院や助産所へと実習に出ます。妊婦に対しては、外来で妊婦健診や保健指導を行います。分娩(ぶんべん=出産)介助実習では、分娩期にある産婦や家族を受け持ち、担当助産師とともにケアを提供します。もちろん、担当助産師と一緒に分娩介助も行います。緊張する場面ですが、感動的な瞬間です。

また、小中学校での「いのちの教育」、また、不妊や更年期にある人々へのケアなど、女性のライフサイクル全般に関わる実習も含まれます。

助産師になるためには、専門的な知識と高い技能が必要です。座学と実習を修め、毎年2月に行われる国家試験をパスすると、晴れて、助産師になれます。決して簡単とはいえない道のりですが、母と子の命を預かる仕事です。責任が重い分、やりがいも大きいのです。

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