看護師が持ってると役立つ資格(学会認定資格など、医療資格)【2】

看護には、看護師国家資格以外にも、学会認定資格など、多くの資格があります。「専門的にもっと学びたい」「経験・技術を形にしたい」という意欲のある看護師さんは、このような資格を取得して、また、資格取得のために勉強することにより、自分の能力を向上させることも可能です。




本投稿では、看護に役立つ資格について、その概要や受験資格、認定者数、合格率、認定に必要な費用などを整理したいと思います。本投稿でご紹介する看護師の資格は、周術期管理チーム看護師、手術看護実践指導看護師、消化器内視鏡技師、学会認定・自己血輸血看護師、学会認定・臨床輸血看護師、登録リウマチケア看護師、学会認定運動器看護師(ジャスミンシー:JSMNC)、骨粗鬆症マネージャー、登録抗酸菌症エキスパート、認定抗酸菌症エキスパート、学会認定HIV感染症看護師、学会認定HIV感染症指導看護師、の10資格です。ステップアップを目指す看護師のみなさんに、少しでもお役に立てれば幸いです。



⑪【周術期】周術期管理チーム看護師

1.目的
麻酔科医や外科医の診療内容を十分に理解し、周術期医療全般にわたる知識を有する看護師を認定する。周術期管理に関連した麻酔科医の判断・指示内容を確認し、薬剤師、臨床工学技士をはじめとする多職種と連携して指示に沿った処置をコーディネートします。他職種連携が必須である周術期医療の質を高めるため、俯瞰的な調整を担います。

2.受験資格
①日本国の看護師免許を有すること
②看護師免許を取得後、手術室勤務が満2年間以上あること
③申請する年の3年前の4月1日から申請する年の3月31日までの間に、日本麻酔科学会が主催ならびに共催する周術期セミナーに2回以上の参加実績があること
④申請する年の3年前の4月1日から申請する年の3月31日までの間に、日本手術看護学会が主催する年次大会(地区学会を含む)、あるいは麻酔看護研修に2回以上の参加実績があること

3.認定者数

4.合格率

5.認定にかかわる費用
50,000円~76,000円(セミナー参加費、認定登録料)

⑫【周術期】手術看護実践指導看護師

1.目的
手術看護に対して中堅者以上の実践力を有する看護師を認定する。周術期において安全な手術を実践するために、手術看護チームの指導的役割を担います。

2.受験資格
以下を全て満たすこと。
①看護師免許を有する
②日本手術看護学会正会員で通算3年以上
③手術室経験が通算5年以上
④受験資格ポイントを50点以上取得
⑤手術看護実践事例2例の提出
⑥クリニカルラダーレベルⅢ認定証明書の提出
⑦受験料納付済み証明書の提出

3.認定者数

4.合格率

5.認定にかかわる費用
40,000(申請料、認定登録料)

⑬【消化器】消化器内視鏡技師

1.目的
消化管内視鏡検査・治療の介助、補助業務に携わる看護師や医療技術者の資格です。近年、診断や治療など、多岐にわたり著しい進歩を遂げている内視鏡診療に必要な存在となっています。

2.受験資格
以下を全て満たすこと。
●第1種対象資格:看護師(助産師、保健師を含む)、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師、衛生検査技師、臨床工学技士
●第2種対象資格:准看護師
①日本内視鏡学会専門医(非常勤を含む)指導のもと、消化器内視鏡部門で実際に内視鏡に従事した勤務年数が、申請書提出時で満2年以上
②学会主催の医学講習会または勤務先の当学会専門医の医師から医学講義を規定時間以上受講していること
a)消化器に関する基礎医学講義(20時間以上:1種のみ)
b)消化器内視鏡に関する基礎講義(20時間以上:1種・2種)
③5年以内に、学会または支部主催の消化器内視鏡技師研究会または技師学会に2回以上出席
④5年以内に、学会支部長承認の内視鏡機器取り扱い講習会またはセミナー基礎編に1回以上出席

3.認定者数
約23,000人(1種)
約3,800人(2種)

4.合格率
約95%

5.認定にかかわる費用
15,000(受験料、認定登録料)

⑭【輸血】学会認定・自己血輸血看護師

1.目的
自己血輸血の正しい知識をもち、適正で安全な自己血輸血ができる看護師を認定します。臨床の輸血において指導的な役割を担います。

2.受験資格
①日本自己血輸血学会あるいは日本輸血・細胞治療学会の会員であること。
②臨床経験が2年以上の看護師で、自己血輸血業務経験が1年以上あること(准看護師は不可)。
③自己血輸血実施症例が30例以上あること。
④所属施設に自己血輸血担当医師(日本自己血輸血学会または日本輸血・細胞治療学会会員)がいること。

3.認定者数
約380人

4.合格率
約98%

5.認定にかかわる費用
40,000(申請料、研修費、受験料、認定登録料)

⑮【輸血】学会認定・臨床輸血看護師

1.目的
副作用・合併症を伴いやすい「輸血」について、病棟において安全・円滑に行えるよう、臨床輸血に関する正しい知識と的確な看護能力を身につけます。

2.受験資格
次の各項のすべてを満たすこと。
①看護師。准看護師は不可。
②輸血治療を行っている施設の看護師。
③通算3年以上の臨床経験を有する。

3.認定者数
約600人

4.合格率
約95%

5.認定にかかわる費用
35,000(申請料、研修料、受験料、登録料)

⑯【整形外科・リハビリテーション】登録リウマチケア看護師

1.目的
生物学的製剤の出現など、リウマチ性疾患の治療・ケア環境が大きく変わっているなかで、最新知識と技術を踏まえた専門性の高いケアを実践できる看護師を育成し、リウマチ財団登録医・リウマチ財団登録薬剤師等と連携・協働して、リウマチ性疾患患者によりよい治療・ケア環境を提供します。

2.受験資格
直近の5年間において通算3年以上リウマチケアに従事している看護師で、次の要件を満たすこと。
①リウマチ性疾患ケア指導患者20例(関節リウマチ3例以上含む)を有すること(このうち10例(関節リウマチ3例以上含む)はり待ち性疾患ケア指導記録の記載を有すること)
②日本リウマチ財団が主催または認定する教育研修会で、20単位以上取得した証明書を有すること。
次の場合、20単位に充当可能。
ア)リウマチ財団登録医、リウマチケア看護師、リウマチ財団登録薬剤師が講師として実施する院内研修は、8単位まで
イ)リウマチケアに関する学術論文は、筆頭者5単位、共同研究者3単位、学会・教育研修会等発表等は筆頭者3単位、共同研究者2単位
ウ)治験コーディネーター等として、リウマチ性疾患の治験に参加した場合は、10単位

3.認定者数
約1,480人

4.合格率
約99%

5.認定にかかわる費用
15,000(審査料、登録料)

⑰【整形外科・リハビリテーション】学会認定運動器看護師(ジャスミンシー:JSMNC)

1.目的
日本運動器看護学会認定運動器看護師制度は、運動器看護の分野において、熟練した看護知識及び技術を用いて、水準の高い看護実践を行える者を育成し、実践の場における看護の質の向上を図ることを目的とする。

2.受験資格
①日本運動器看護学会会員であること。
②看護師として実践経験が5年以上あること。
③運動器領域(整形外科、脳神経外科、脳神経内科、リハビリテーション系の病院・クリニック・専門施設等)での実践経験が3年以上あること。
④上記条件を満たし、かつ、日本運動器看護学会認定運動器看護師育成講座の全コースを受講し、500ポイントを獲得した者、または、同育成講座の該当ポイントを獲得し、育成講座と同等の履修が修了していることを「日本運動器看護学会認定審査委員会」が認めた者。
⑤その他、①~④に該当する要件を満たすことを日本運動器看護学会理事会が認めた者
※上記①を満たせば、育成講座の受講は可能。

3.認定者数
約33人

4.合格率
約80%

5.認定にかかわる費用
195,000(手引き購入料、受講料、申請料)

⑱【整形外科・リハビリテーション】骨粗鬆症マネージャー

1.目的
骨粗鬆症領域における基本的知識と技能を有する専門スタッフを認定。超高齢化社会において、充実した骨粗鬆症の予防、診断と治療を提供します。

2.受験資格
①日本骨粗鬆症学会会員であること。
②看護師として実践経験が5年以上あること。
③次のいずれかの国家資格を有し、実際に医療・保健活動・教育機関に従事する者。保健師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床工学技士、薬剤師、管理栄養士、介護福祉士、社会福祉士
④過去3年以内に本学会で実施する骨粗鬆症マネージャーレクチャーコースを1回以上受講していること。

3.認定者数

4.合格率

5.認定にかかわる費用
23,000(受講料、審査料、登録料)

⑲【感染症】登録抗酸菌症エキスパート、認定抗酸菌症エキスパート

1.目的
抗酸菌症の撲滅と患者のQOL・ADL改善に資することを目的として、結核および非結核性抗酸菌症(抗酸菌症)に対する適切な医療を推進するため、専門的知識と技術の向上をめざします。

2.応募資格
①看護師、准看護師、保健師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、栄養士・管理栄養士、理学療法士、その他、認定制度委員会が認めた資格を有する者
②前項に掲げた資格の職歴が合わせて3年以上
③認定制度審議委員会が指定したセミナー等に参加し、所定単位50点を取得
※【登録抗酸菌症エキスパート】⇒上記のすべての条件を満たす。学会の会員、非会員を問わない(非会員対象)
【認定抗酸菌症エキスパート】⇒上記1点を満たし、学会会員歴が5年以上あり、かつ所定単位80点以上を取得(日本結核病学会会員対象)

3.認定者数

4.合格率

5.認定にかかわる費用
16,000(年会費、総会参加費、申請料、認定料)

⑳【感染症】学会認定HIV感染症看護師、学会認定HIV感染症指導看護師

1.目的
HIV感染症(別名:エイズ)に関する専門知識と看護の技術を有し、それを実践し、また指導と教育を行うことができる看護師を認定する。HIV感染症の医療およびケアの向上を図り、予防・啓発を推進します。

2.受験資格
【学会認定HIV感染症看護師】
①日本エイズ学会の会員であること。
②看護師歴が3年以上の看護師で、HIV/AIDS看護について研鑽を積もうとする者。
③学会が指定したセミナー等に参加し、所定単位50点を取得した者(5年以内の学術集会出席およびHIV看護教育セミナー聴講は必須)

【学会認定HIV感染症指導看護師】
①日本エイズ学会の会員歴が通算5年以上あること。
②学会認定HIV感染症看護師歴5年以上であること。
③申請時までの5年間にHIV感染症患者10例以上の看護経験を有し、事例記録として提出できること。
④所属施設長が推薦する者であること。
⑤以下のいずれか1篇(題)の筆頭著者・演者であること。
・本学会学術誌に論文掲載(原著・総説・症例報告など)
・本学会学術集会における発表(演題・シンポジウムなど)
・関連学会学術誌に論文掲載(原著・総説・症例報告など)
・関連学会学術集会における発表(演題・シンポジウムなど)
⑥審議会が指定した研修会への参加、研究発表等により、所定点数70点以上を取得した者

3.認定者数
【学会認定HIV感染症看護師】:45人程度
【学会認定HIV感染症指導看護師】:15人程度

4.合格率
【学会認定HIV感染症看護師】:95%程度
【学会認定HIV感染症指導看護師】:100%程度

5.認定にかかわる費用
20,000(申請料、認定料)

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看護師が持ってると役立つ資格(学会認定資格など、医療資格)
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