【看護師】部署異動・病棟異動・病院内異動の際の面接について

看護師や准看護師、看護助手のみなさんの異動の方法や頻度は病院によって異なりますが、異動の頻度は3~4年が一般的と言われています。

看護師の部署異動・病棟異動・病院内異動は、組織で働く以上、避けられないイベントと思います。

しかし、慣れ親しんだ部署や科を離れ、新しい部署に適応していくまでには、多くの人は様々なストレスに対処しなければなりません。




異動時に面接をするかしないかは、病院など組織母体や当該組織でのルールにより、様々でしょうが、異動の目的(例えば、本人の希望をどこまで受け入れて、どういう意図をもって人材配置をしているのか)や、以前の部署での評価や新しい部署で期待される役割などを、何らかの形で伝えることは大切です。

組織側の都合の押し付けだけではスタッフのモチベーションも下がってしまいます。

人事権を持つ部署と現場の管理者が円滑なコミュニケーションをとり、効果的な人事異動ができれば、組織も活性化されるのではないでしょうか。

本音を引き出し把握する仕組み

部署異動(病棟異動・病院内異動・科移動)の背景には必ずと言っていいほど、組織側の都合が存在します。異動の発端がたとえスタッフナースの希望であったとしても、一人のナースだけの問題で終わらないところが人事異動の難しいところです。

組織の都合の押し付けや人員の頭数合わせに終始してしまう人事移動はお互いに不幸です。しかし裏を返せば、個人のキャリアや将来への展望をうまく把握し、その思いをすり合わせる場が創造できれば、やる気を引き出すチャンスともいえます。その場のためのスタッフ一人ひとりの基礎資料を各部署の所属長がどこまで把握しているのかが鍵となります。
最近では、目標管理面接やキャリアラダー等のシステムにより、一人ひとりのキャリアへの思いを把握する仕組みは数多く存在します。ただ、その仕組み本来の目的が機能するシステムにするには、もう少し工夫がいるのかもしれません。

一般企業に倣って看護・医療界に目標管理面接が活用されるようになり10年以上が経過し、多くの病院で実施されているようです。目標管理面接とまではいかなくとも、病院機能評価の審査をきっかけに、なんらかの形で職員の人事考課制度や面接の仕組みを導入する組織が増えてきています。しかし、その実際に目をやると、まだまだ形骸的な組織も多く、その目的が職員全体に理解され、浸透していくことは難しいのが現実のようです。
外部評価に耐えうる仕組みづくりに追われ「かたち」を整えること自体が目的化してしまっては、現場は余計な仕事が増えたという負担感を抱き、疲弊する一方です。スタッフの本音を引き出すせっかくのチャンスも逃してしまいかねません。目標管理面接のシートは、一つのツールであり、手段でしかないのです。きっかけは何であれ、せっかくの仕組みをスタッフ一人ひとりの本音を語る場にしていくためには、面接する側、受ける側双方がその目的を理解することから始めることが大切です。

部下を「正しく評価する」ことに固執しない

では、どうすれば形にとらわれず、本来の目的を達成する面接が実施できるのでしょうか。見事なまでに緻密な運用マニュアルや評価シートは存在していても、「肝心の面接する上司が・・・」という声はよく耳にします。

面接(特に目標管理面接)をする場合に、いちばん陥りやすい過ちは、「正しく評価する」ことにとらわれ、それを目的にしてしまうことです。「正しい評価」とはいったい、どのような評価でしょうか? 上司と部下という関係性において、評価シートやマニュアルに沿って、個人的感情に流されず、日々の部下の行動を根拠として、「看護の成果」を評価するのでしょうか? では、「看護の成果」とはどのような行動で評価するのでしょう。患者さんの満足度調査の結果でしょうか? 逆に患者さんのクレームの数ですか? 超過勤務や記録の監査結果といった指標から評価しますか?

実際に面接した人たちは、その難しさを理解しているでしょうが、「看護」は一般企業の営業マンのような明確な数値では表現しにくい職業です。「正しく評価」することに気持ちが奪われてしまっていると、部下の大切なサインを見逃すことにもなりかねません。

具体的な面接方法やその手順については、数多くのHow to本に譲りますが、筆者が伝えたいことは、「そうしたHow toに振り回されて肝心の目的を見失わないようにしてほしい」ということです。面接のいちばんの目的は、なんといっても相手のやる気を引き出すこと、「モチベーションのアップ」です。これができなければ、せっかくの面接も台無しです。自己評価と上司による評価が大きくくい違うところがあれば、それはなぜなのか。上司の期待と本人の目標がかけ離れている原因はどこにあるのか。表面的な評価に終始せず、「本音を引き出すきっかけ」として面接を考えてみては如何でしょうか。

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