社会人が看護師になるには？看護師の中途採用

（１）社会人経験者が看護師として歓迎される理由とは？

看護師を目指して進学を考えている人は、現役高校生や専門学校生だけではなく、社会人経験者も少なくありません。

社会人経験者とは、「看護学以外の専攻で大学を卒業した後に看護師を志す看護学生や、社会人として一定の就労経験を経た後に、看護師を志す看護学生」（厚生労働省：「看護師養成所における社会人経験者の受け入れ準備・支援のための指針」より）と定義されます。

社会人経験者が看護師を目指すにあたって、「年齢で不利になるのでは？」「年齢で不合格にされるのでは？」など、マイナス面がよく言われますが、むしろ、プラスになることの方が多いと思います。

その理由としては、現役高校生より豊富な人生経験や社会経験があるからです。それまでに培ってきた経験を看護にも活かすことができます。年齢に上限要件を設けている学校はあまり見たことはありません。それどころか、最近は入学試験に社会人枠を設ける学校が増加傾向にあります。

不足する看護要員を確保する対策の一つとして、大卒・短大卒業者等を含む社会人経験のある学生の受け入れに、より積極的に取り組むことが求められています。

進学を検討している社会人経験者の皆さん、看護の業界は皆さんを大歓迎しているのです。悩む前に、まずは挑戦してみたら如何でしょうか。

実際に、どのくらいの社会人経験者が看護師を目指しているのでしょうか？

日本看護学校協議会が2012年（平成24年）年度に行った調査によると、総在籍数に占める社会人経験者の割合は23.7%でした。さらに、同協議会ホームページの「社会人の入学に関するQ&A」に、全国会員校における社会人経験者の在籍数は、全学年総在籍数の15%～49.6%との記載があります。

また、毎年度調査が行われている「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」（令和2年度）によると、看護師を目指して大学や短期大学・専門学校に入学した人の総数は、全国で5万4,315人です。

そのうち、25歳以上の社会人経験者は2,975人（うち、40歳以上は375人）です。その割合は、専門学校で10.3%、短期大学で2.9%、大学で0.5%と、専門学校の割合が多くなっています。

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